信号処理の学習に最適な LabVIEW
Rose Hulman Institute of Technology で実施した調査では、信号処理を学ぶ学生の4人に3人が学習用ツールとして LabVIEW を選ぶと答えています。
世界中で広く採用されている教科書 『Signal Processing First:A Multimedia Approach』 の共著者である Mark Yoder 教授は、教鞭を執っている Rose-Hulman での信号処理コースで使用するソフトウェアを、The MathWorks, Inc. 社の MATLABからナショナルインスツルメンツの LabVIEW グラフィカル開発言語に変更しました。Rose-Hulman は、U.S. News & World Report 誌の行う調査において、7年間連続で「工学部ナンバー1」に選出されています。MATLAB からの乗り換えは、グラフィカルプログラミングの直観的な特性を生かそうという狙いと、学生に信号処理のコンセプトを対話式に習得してもらいたいという狙いからです。
Yoder 博士が作成した多数の「オンライン対話式 LabVIEW シミュレーション」は、学生の実験や “Signal Processing First” のテキストに掲載されているものを参考にした小規模のプロジェクトを扱っています。このテキストは世界中70校で採用されており、4つの言語に翻訳されています。

図1.カスタムサブパレットを使用することで、プロジェクト実行時の信号生成・表示が容易に行えるようになります。
学習体験の向上
Yoder 博士の目標は、グラフィカルな操作とコンセプトの実行を通じて、教育的成果をあげることにあります。博士は、コース内容を LabVIEW中心のものに変え、学期末に学生を対象として行うアンケートでコースの成否を判断することで目標を達成しました。
アンケートの結果からは、学生が短期間のうちに LabVIEW の操作にも慣れたばかりか、他のプログラミング言語よりも LabVIEW を好むという意見が多く見られたことが分かります(表1参照)。学生の殆どは LabVIEW に関する予備知識を有してはいませんでしたが、MATLAB ソフトウェアよりも習得しやすいと答えた学生とそれ以外の学生の割合は4対1という結果になっています。信号処理にまつわる問題を解決する上での LabVIEW の有用性を問う質問においても同様の結果が得られています。全体的には、学習用ツールとしての LabVIEW の使用を好むという学生とそうでない学生の割合は3対1という結果になりました。
アンケートを実施する以外にも、Yoder 博士は学生の信号処理に関する理解度を測るために、学期の前後に、概念の理解度テストを行っています。過去最高の結果が得られたテストについても、アンケートについても、その結果は2006 ASEE National Annual Conference にて発表した論文内にまとめてあります。同論文 “AStudy of Graphical vs. Textual Programming for Teaching DSP” は、本記事の最後にあるリンクからご覧いただけます。
表1.アンケートからは、学生が学習ツールとして LabVIEW の使用を好んでいることが分かります。
まずはじめに
学生の手を借りながら、Yoder 博士は LabVIEW の MathScript でグラフィカルプログラミングとテキストベースの数式演算機能を用いて対話式の信号処理シミュレーションと小規模のプロジェクトを構築しました。学生は LabVIEW を使用して基本的なものから高度なものまで、様々なレベルの信号処理アルゴリズムを実行しました。これには、Yoder 博士が作成したカスタム仕様のツールキットを用いました。このツールキットは、LabVIEW 8 に搭載されている関数やカスタムVI、サウンドカード API を使用して構築されており、カスタム仕様のサブパレット(図1参照)を介してアクセスすることができるため、学生がプロジェクトを実行する際に必要に応じて手助けすることができます。

図2.LabVIEW を用いて作成された実験例が多数掲載されている Web サイトにアクセスすることにより、学生は遠隔地からでも信号処理の概念について学習することができます。
仮想研究室:実践的な学習の場を提供
Yoder 博士の講義の Web サイトでは、ライブで対話式に行われる LabVIEW を使ったシミュレーションがあり、ここでは実践的な学習体験を積むことができます。授業やテキストで学んだ概念や理論について復習する上でも、効果的な方法と言えます(図2参照)。このリソースは、Signal Processing First のオフィシャル Web サイト(Rose-Hulman.edu/DSPFirst)からご利用いただけます。Yoder 氏が授業の内容をLabVIEW をベースにしたものに移行したことは、Rose-Hulman Institute of Technology においても高く評価されています。学生はプログラミング環境として LabVIEW を好むだけでなく、LabVIEW を使用することにより信号処理のコンセプトがより深く理解できるという回答を寄せています。
Yoder博士がASEE 2006に寄稿した論文の全文と、LabVIEWを信号処理の授業に組込む方法についての詳細は、ni.com/jpにアクセスの上、Info Code欄に「nsi6309」と入力するとご覧いただけます。
法律関連事項
本資料は、米国および該当各国の著作権法において保護されており、 いかなる媒体、機器または製法による再版、ダウンロード、複製、改作および転送または放送を含むがこれに限定されない著作権法侵害するいかなる使用も禁止されています。

