カリフォルニア大学バークレー校:NIツールを使用した通信ラボ
インタラクティブな学習を促進するための試みとして、カリフォルニア大学バークレー校(以下、UC バークレー)の教授陣は通信理論の授業に実際のワイヤレス通信システムを使用することにしました。元来、通信の研究に必要とされる機材はいずれも高価で複雑で、柔軟性にも乏しいものであったため、大学側は、学生に十分な体験をさせることができずにいました。この課題に対し、UC バークレーで電子工学およびコンピュータサイエンスの指導にあたっている Ali Niknejad 教授は、ナショナルインスツルメンツの LabVIEW と PXI モジュール式計測器を用い、ソフトウェアで構成できるアーキテクチャを使用してワイヤレス通信が学べる環境を整えることで対応しました。このようにして準備された Niknejad 教授の授業では、学生は900 MHz のフロントエンドソフトウェアラジオを設計し、ハードウェアを使ってシステムの検証を行ったりラジオの特性評価を行います。
このダイアグラムは、USバークレーの教授陣がどのようにNI LabVIEWとPXIカスタムハードウェアを使って学生にワイヤレス通信アプリケーションを構築する方法を教えたかを表したものです。
NI LabVIEW と PXI プラットフォームを活用することにより、対話式のグラフィカル開発環境で設計が行えるほか、標準タイプの PXI モジュール式計測器や学生が設計したカスタム仕様のハードウェアとの統合も難なく行えることから、ワイヤレス通信システムの開発実験も能率的に行うことが可能となります。
コードのシミュレーション/変調/伝達/受信全てをLabVIEWで実行
LabVIEW の柔軟性と、LabVIEW で利用できる解析/信号処理/表示ツールを活用することで、ソフトウェア上でワイヤレス通信システム全体のシミュレーションが行えます。LabVIEW 対応の NI モジュレーションツールキットは、通信システムの開発にも使用できます。これを用いて、ソフトウェア上でコーディングやモジュレーション(変調)の構成を試したり、DC オフセットや IQ ゲイン不均衡、フェーディングプロファイルなどの障害をシステムに加え、仮定的な信号とシステムのテストを実行します。設計が完了したら、ハードウェアデバイスにダウンロードすべく修正を施し、理論と実験から得られるデータとを検証します。

PXI でワイヤレス信号の伝送/受信を行う
学生用にワイヤレス実験を作成するにあたり、最も多くの時間を充てるのがハードウェア/ソフトウェアラジオの実装です。ソフトウェアラジオを作成するために、Niknejad 教授は LabVIEW を使ってラジオ信号の変調/復調を行いました。教授は、LabVIEW と PXI を使ってベースバンド TX/RX の実装を行いました。ここでは NI PXI-5421(100 MS/秒、16ビット任意波形発生器)、NI PXI-5620(64 MS/秒、14ビット周波数領域デジタイザ)を使用しています。PXI-5421と PXI-5620は、優れた分解能と大容量のメモリを備え、非周期の長い波形の生成/デジタル化が行えるため、通信用アプリケーションに最適なモジュールであると言えます。さらに、NI PXI-5610と PXI-5600モジュールは、ベースバンド信号を最大2.7 GHz の周波数にそれぞれアップコンバートしたりダウンコンバートすることが可能です。学生は、波形発生器とアップコンバータを、デジタイザとダウンコンバータを組合わせることにより、ソフトウェアで自在に構成が行えるトランシーバを作成することができるようになります。
カスタム仕様のラジオコンポーネントと一般で使用されているラジオコンポーネントを交互に使用してテスト/検証を実行
UC バークレー校の電気情報工学科に在籍している学生は、独自の高周波数回路を、プリント基板上の、単一のトランジスタから成るビルディングブロックを作って構築する機会が与えられます。ラジオの検証で重要とされるのは、構築したカスタムハードウェア(トランスミッタや増幅器、アンテナなど)のテストです。学生は、LabVIEW と PXI を使用することで、一般的に使用されているハードウェアとカスタム仕様のハードウェアを容易に交換することができ、システムのテストを行うことができます。Niknejad 教授はこの他に、LabVIEW を使って、学生が構築したハードウェアラジオの制御も行っています。また、PXI RF/通信モジュールの幅広いリアルタイム帯域幅と安定度の高いタイムベースを利用することで、学生は、構築したラジオの線形性、位相ノイズ、同調レンジ、騒音指数、ビットエラーレート(BER)などの特性評価が行えます。

学習体験の向上
ナショナルインスツルメンツの LabVIEW、PXI モジュール式計測器を使用することにより、教授陣も学生も、非常に有意義な学習体験を積むことができました。モジュール式のプラットフォームを使用したことで、電磁波透過/電磁波伝播、多経路フェージング/多経路干渉、通信システムのデジタル/アナログ変調・エンコーディングの比較など様々な現象を全て単一のプラットフォーム上で実験したり検証することができました。
本アプリケーションついての詳細は、ni.com/jpにアクセスの上、Info Code欄に「nsi6213」と入力するとご覧いただけます。
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