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Document Type: Tutorial
NI Supported: Yes
Publish Date: Mar 5, 2010


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正しいリレーの選び方

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概要

リレーにはさまざまな要素、スタイル、技術があります。アプリケーションによって該当するリレーが1つのみしかない場合や、複数のリレータイプを使用できる場合があり、それぞれのリレーの長所および短所を理解することで、従事するプロジェクトで最適なリレーを選択することができます。

メモ: このドキュメントで議論される内容はすべてのリレーアプリケーションに該当しますが、特に自動テスト装置(ATE)アプリケーションを目的としたスイッチモジュールで使用するリレーを選択する際に考慮すべき要因について説明しています。ここで表示される比較は、標準のスイッチモジュールのフォームファクタで、類似した電圧、電流、電力定格のリレー間におけるものです。

ATEアプリケーションで使用される最も一般的なリレータイプは以下のようになります。

  • メカニカルリレー
  • リードリレー
  • ソリッドステートリレー(SSR)
  • FETスイッチ

次のセクションでは、これらのリレーの動作について説明し、それぞれの相対的利点と欠点を確認します。

メカニカルリレー

メカニカルリレーはおそらく今日のATEアプリケーションで最も広範囲に使用されているリレーです。アーマチュアリレーはコイル、アーマチュア装置、および電気接点で構成されています。コイルが活性化されると、発生した磁界によって接点を開閉するアーマチュアが動作します。図1を参照してください。



図1. メカニカルリレー: コイルに流れる電流によって接点間のアーマチュアを動かす磁界が生成されます。

メカニカルリレーは低電圧/電流から高電圧/電流まで、またDCからGHz周波数まで幅広い信号特性をサポートするため、多くの場合、システム要求を満たす信号特性を持つメカニカルリレーを見つけることができます。メカニカルリレーの駆動回路は、リレー接点から直流的に絶縁されており、接点自体もそれぞれお互いに絶縁されています。このように絶縁されたメカニカルリレーは、ガルバニック絶縁が要求されるソリューションに最適です。

メカニカルリレーの接点は通常他のタイプのリレーの接点に比べて大きく堅固です。接点が大きいことで、回路やケーブルなどに存在している寄生キャパシタンスによって起こる予期せぬサージ電流に耐えることができます。しかしその反面、大きな接点だとパッケージのサイズも大きくなるため、スイッチモジュール上での密集した配置には向きません。

メカニカルリレーの仕組みはスイッチ機能に大きな柔軟性を提供しますが、速度という重要な制限が1つあります。他のリレーに比べると、メカニカルリレーは遅いデバイスと言えます。標準モデルではスイッチ切り替えから整定までに5~15 msかかりますが、アプリケーションによってはこの動作速度では遅すぎます。

メカニカルリレーの寿命は、通常他のタイプのリレーに比べて短くなります。テクノロジの進歩に伴いメカニカルリレーの機械的寿命は延びましたが、作動回数はリードリレーに比べてまだ少ないと言えます。リレーの種類にかかわらず、切り替える電力量やその他のシステム要件はリレーの全体的な寿命に大きな影響を与えます。事実、メカニカルリレーの機械的寿命はリードリレーに比べて短いものですが、類似した負荷(特に容量性負荷)における電気的寿命はリードリレーに比べてかなり遅い速度で減少します。大きく堅固な接点を持つメカニカルリレーは、類似したリードリレーより長持ちする場合があります。

メカニカルリレーにはラッチ型と非ラッチ型があります。非ラッチ型リレーでは、リレーを継続して作動させるためにコイルに連続的に電流を流す必要があります。このタイプのリレーは、停電が発生した場合にリレーを安全な状態に切り替える必要のあるアプリケーションによく使用されます。ラッチ型リレーは、永久磁石によってアーマチュアを現在の位置に保持します。この位置は駆動電流がコイルに流れなくなっても保持されます。電圧が非常に低いアプリケーションには、ラッチ型リレーが最適です。これはコイルにおける過熱がないため、測定に影響を与える接触電位(EMF)を最低限に抑えることができるためです。

カニカルリレーは多種多様のスイッチモジュールで使用されています。その堅固さが多様なアプリケーションに適応するためですが、特にスイッチ速度が優先要件でない場合に最適です。また、汎用目的、マルチプレクサ、マトリクスなどすべてのスイッチ構成で多用途に使用できます。メカニカルリレーを搭載したスイッチモジュールには、NI PXI-2566、NI-PXI-2529、NI PXI-2593などがあります。

リードリレー

リードリレーにはメカニカルリレーと同様、機械的に作動してパスを開閉する物理接点があります。しかし、リードリレーの接点はメカニカルリレーの接点に比べてサイズも質量もかなり小さくなります。ドライリードリレーはリードスイッチの周りに巻かれたコイルで構成されています。リードスイッチは、2つの重なった強磁性ブレード(リードと呼ばれる)を、不活性ガスで満ちたガラスカプセルで密閉したものです。リードの接点は、重なり合う両先端にあります。コイルが活性化されると、2つのリードが引きよせれられて接続し、リレーのパスが繋がります。コイルが活性化されていないときは、リードのバネの力で接点が離れます。図2を参照してください。



図2. ドライリードリレー: コイルに流れる電流によって、2つの接点を引き寄せる磁界が生成されます。

サイズが小さく質量も少ない接点と異なる作動メカニズムにより、リードリレーは同じ定格のメカニカルリレーに比べると10倍速くスイッチ切り替えを行うことができます。リードリレーの機械的寿命はメカニカルリレーに比べてかなり長くなります。しかし、トレードオフとしてリードリレーの接点が小さいため回路を閉じた時に起こるアーク放電の影響を受けやすくなります。接点間でアーク放電が発生した場合、接点表面の一部が融解する場合があります。接点が閉じたままで、融解した部分が再び固ってしまうと、接点が溶接してしまう可能性があります。リードのバネの力では、駆動電流がオフになったあとで溶接してしまった部分を機械的に分離するのは難しく、リレーは使用不可能になります。メカニカルリレーもアーク放電による影響を受けますが、メカニカルリレーでアーク放電が起こるにはかなりの量の電力が必要になります。

リードリレーは接点を破損してしまう可能性が非常に高く、特にシステムキャパシタンスによる突入電流は危険です。突入電流は、リレーとキャパシタンス間に位置する抵抗やフェライトのような直列インピーダンスによって制御できます。システム内のキャパシタンスは、リアクタンス検査対象デバイス内、またはシールドケーブルからであっても、突入電流の原因となります。

リードリレーを構成している強磁性素材によって、同等のメカニカルリレーより接触電位が高くなります。そのため、非常に低電圧のアプリケーションには不向きです。これは、接触電位によって導入されるノイズにより測定誤差が発生する可能性があるためです。

小さなリードリレーサイズと高速性能が最適なスイッチアプリケーションも多くあります。リードリレーは汎用モジュールよりもマトリクスやマルチプレクサモジュールによく使用されます。マルチプレクサとマトリクスの両方で構成可能な高速スイッチモジュールであるNI PXI-2530は、リードリレーの多用性を示すよい例です。

ソリッドステートリレー(SSR)

SSRは感光性MOSFETデバイスとデバイスを作動するLEDで構成されています。図3を参照してください。



図3. ソリッドステートリレー(SSR): カプセル化されたLEDからの光で感光性MOSFETが作動し電流が流れる。

SSRはメカニカルリレーに比べて高速で、スイッチ切り替えの時間はLEDをオンまたはオフにするために必要な時間(それぞれ約1 msおよび0.5 ms)に依存します。このリレーには機械的部品がないため、寿命もメカニカルリレーやリードリレーよりも長くなります。

SSRは、LEDが作動することによって制御回路とMOSFET間にガルバニック絶縁バリアが生成されるため、高電圧アプリケーションに適しています。しかし、MOSFETが切り替え操作を行っているため、接点間にはガルバニック絶縁バリアは存在しません。MOSFETにゲートドライブが存在しない場合、MOSFETのドレインソースチャンネルの抵抗が非常に高くなり、接点間の接続を解除します。

接続がメカニカルリレーやリードリレーのように物理的金属ではなくトランジスタによって行われるため、SSRでは接点抵抗が大きくなります。テクノロジが発展するに伴い、SSRの接点抵抗も改善されていますが、まだ今日の生産過程では100Ω以上の抵抗を搭載するリレーがよく見られます。

SSRはメカニカルリレーほど堅固ではありません。リードリレーと同様、SSRも突入電流の影響に弱く、定格を超える信号レベルで使用すると破損します。溶接してしまう金属接点はありませんが、MOSFETが破損するとリレーは使用不可になります。

SSRはマトリクスとマルチプレクサで使用されます。NI SCXI-1163RおよびNI SCXI-1128はSSRスイッチの良い例で、マルチプレクサと高電圧マルチプレクサ/マトリクススイッチモジュールとして使用されています。

FETスイッチ

SSRと同様、FETも機械的デバイスではありません。FETスイッチは一連のCMOSトランジスタを使用してスイッチ切り替えを行います。SSRとは違い、LEDではなく制御回路が直接トランジスタのゲートを駆動します。トランジスタのゲートを直接駆動することで、LEDをオンまたはオフにする問題が解消されるため、スイッチ速度が速くなります。通常、FETスイッチはこのドキュメントで説明されているスイッチの中で最も高速です。また、機械的部品やLEDがパッケージに含まれないため、FETスイッチは非常に小型にすることができます。FETスイッチの主な欠点は物理的絶縁バリアがないことで、低電圧信号のアプリケーションのみに使用することができます。

このスイッチはFETベースであるため、FETスイッチとSSRは同じ利点と欠点を数多く共有しています。たとえば、スイッチ寿命は長くなりますが、メカニカルリレーやリードリレーよりもパス抵抗が高くなります。

FETスイッチは高速低電圧アプリケーション用のマルチプレクサに最もよく使用されます。NI PXI-2501はFETベーススイッチモジュールの良い例です。

まとめ

メカニカルリレーは幅広く総合的なソリューションを提供しますが、パッケージサイズ、スイッチ速度、機械的寿命などに制限があります。リードリレーでは、パッケージサイズ、密度、および速度が改善されますが、突入電流が存在する環境では破損しやすくなります。SSRは機械的リレーに対してよい代替リレーとなりますが、パス抵抗が高く、接点間の絶縁が未完全です。FETスイッチは高速で低コストのソリューションですが、低電圧のアプリケーションのみで使用できるという制限があります。

すべてのアプリケーションにおいて、特定のリレーを選択する前にシステムパラメータをすべて確認します。ここでの情報を使用して、実行するアプリケーションに適したトレードオフを検討してください。

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