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ドキュメントタイプ: チュートリアル
NI 製品対応: 有り
発行日: 2008/01/07


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LabVIEW DSP の機能

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概要

NI SPEEDY-33 および Texas Instruments C6711/C6713 DSK 対応の NI LabVIEW DSP モジュールを使用すると、操作性の高い対話式グラフィカルプログラム開発環境で DSP システムの設計から、プロトタイプ作成、実装まで行うことができます。様々な機能を搭載した LabVIEW DSP は、DSP システムの開発に最適なツールと言えます。このドキュメントでは、直感的な DSP システム開発を可能にする LabVIEW DSP モジュールの主な機能について説明します。

多数の解析/開発用関数を搭載

LabVIEW DSP モジュールには、ウィンドウ、変換、波形生成関数など、多数の信号処理/解析関数が組込まれていますので、システムのプロトタイプを短時間で作成できます。

例えば、LabVIEW デジタルフィルタ設計ツールキットを使用して作成したデジタルフィルタを、LabVIEW DSPモジュール内で使用し、ターゲットに実装することが可能です。LabVIEW デジタルフィルタ設計ツールキットには、プログラミング不要な係数生成機能が搭載されています。このツールキットで生成した係数をファイルに保存し、LabVIEW DSP モジュールで ファイルから係数を読み出して、DSP に実装することができます。図1は、デジタルフィルタ設計ツールキットの構成ウィンドウを示しています。

図1. デジタルフィルタを実装するための構成画面

この構成画面では、楕円、チェビシェフ、バタワースなど、さまざまな種類のフィルタ設計が行えます。必要なフィルタタイプを決めて係数を生成したら、LabVIEW DSP モジュールを使ってインポートしたり実装したりすることができます。図2は、LabVIEW DSP でデジタルフィルタ係数をインポートし DSP ターゲットに実装する VI の構成画面を示しています。

図2. 「DFD フィルタ」 Express VI を使用したデジタルフィルタの実装

モジュール式のコードで将来の再利用が可能

どのようなプロジェクトにおいても、開発時間を最小限に抑えるには、簡単にコードを再利用できることが不可欠となります。LabVIEW DSP モジュールで LabVIEW の機能を利用してサブコンポーネントやサブ VI を作成すると、上位プログラムで入出力を配線するだけで、コードをより複雑なアプリケーションに再利用することができます。図3は、「fast sine」および「slow sine」の各関数を、LabVIEW でリサジュー曲線を作成するアプリケーションに再利用する例を示しています。

図3. モジュール式コード開発により複雑な設計でもコードの再利用が簡単


単に入力や出力を接続するだけで、大規模なアプリケーションにもコードを再利用できるため、アプリケーションのモジュール化が可能となり開発が簡単になります。また、プログラム内にサブ VI やサブコンポーネントを組込むことにより、デバッグしやすい明りょうな設計を実現できます。

構築が簡単な GUI によるリアルタイムパラメータ制御やデータ表示

LabVIEW DSP モジュールは、LabVIEW のGUI(グラフィカルユーザインタフェース)機能をフルに活用しています。グラフやチャート、ブールスイッチ、LED、様々なタイプのゲージ、スライダなど、多くの便利なフロントパネルオブジェクトを使用して、DSP アプリケーション用に高度な GUI を構築することができます。

図4. LabVIEW DSP モジュールでのバンドストップフィルタ VI のGUI


図4は、LabVIEW DSP を使用して構築できるGUIの一例を示しています。LabVIEW DSP の中でも特に注目すべき機能は、DSP で実行中のプログラムとリアルタイムで通信し、GUI上に結果を表示できるという点です。

Express VI を使用したプログラミング不要なコード開発

LabVIEW DSP を使用すると、経験豊富なプログラマだけでなく新規ユーザも DSP アプリケーションを短時間で作成できます。LabVIEW DSP モジュールは LabVIEW Express テクノロジを採用していますので、複雑な操作もダイアログ式のインタフェースで構成でき、複数の関数を配置してワイヤで配線する必要がありません。例えば、図5はスペクトル計測 Express VI の構成ウィンドウを示しています。

図5. スペクトル計測 Express VI の構成ウィンドウ

図5に示すように、構成パネルでは複数のオプションを選択できます。この例では、RMS(実効値) とパワースペクトル計測のどちらを計算するのかを指定できます。また、必要に応じて窓関数を適用するかどうかも選択できます。使用可能な窓関数には、ハミング、ハニング、ブラックマンハリスがあります。Express VI のメリットは、ブロックを構成すれば、あとは入力と出力を配線するだけで VI を実行することが可能となるという点です。LabVIEW DSP モジュールでは、Express VI 機能を DSP にも実装できるようになっています。Express VI を使用すると、使いやすいインタフェースでオプションを選ぶだけで構成が可能なため、短期間で製品を市場に投入することができます。ただしより自由にコントロールしたい場合は、個々の VI を配置して配線することもできます。

DSP ターゲットのデジタル/アナログ I/O ラインを簡単に制御

ほとんどの DSP ターゲットは、アナログとデジタルの入出力を搭載しています。LabVIEW DSP は、DSP ターゲット(NI SPEEDY-33、TI C6711、C6713 DSK)のアナログ/デジタル I/O を制御するための基本 I/O VIを搭載しています。

図6. LabVIEW DSP モジュールの基本 I/O パレット

図6は、LabVIEW DSP モジュールの基本 I/O パレットを示しています。これらの I/O VI は、ブロックダイアグラムに配置した後アイコンをダブルクリックすれば自由にカスタマイズすることができます。図7は、アナログ入力 VI の構成ウィンドウを示しています。この図に示すように、シングルチャンネルモードとデュアルチャンネルモードのいずれかを選ぶことができ、シングルサンプルとマルチサンプルモードのどちらでデータを集録するかを選択できます。また、アプリケーションによってサンプリングレートなどのパラメータを調整することができます。

図7. LabVIEW DSP モジュールでのアナログ入力 VI の構成


アナログ出力とデジタル I/O にも、同様の構成ウィンドウがあります。またその他に、デジタルラインをパラレルで指定するデジタルバンク入力とデジタルバンク出力という2つの基本 I/O VI があります。

複数の DSP ターゲットへのコードの移植が可能(NI SPEEDY-33、TI C6711、C6713 DSK のみ)

LabVIEW DSP のメリットは、別のハードウェアターゲットに切り替える必要がある場合に特に顕著です。LabVIEW DSP モジュールがサポートする DSP ターゲットは、NI SPEEDY-33 ボード、Texas Instruments C6711/C6713 DSK の3製品のみですが、それらのターゲット間の切り替えは非常に簡単になっています。

図8. LabVIEW DSP モジュールを使ってコードを変更せずに DSP ターゲットを切り替え

マウスを数回クリックするだけで、実装するDSP ターゲットを瞬時に切り替えることができます。図8にその方法を示しています。DSP ターゲットを切り替える際に、アプリケーションを変更する必要はありません。LabVIEW DSP モジュールでは、選択した DSP ターゲットのデフォルト設定に合わせてアプリケーションが調整されます。ユーザは「実行」ボタンをクリックするだけで、コードがターゲットにダウンロードされ実行されます。

スタンドアロンアプリケーション開発機能も搭載

LabVIEW DSP モジュールは、スタンドアロン DSP アプリケーションの開発や実装にも有効です。実際に、LabVIEW DSP モジュールで作成したプログラムを、スタンドアロンアプリケーションとして実装し実行することが可能です。

図9. LabVIEW DSP モジュールを使ってスタンドアロン DSP アプリケーションを簡単に作成可能

DSP ターゲット上でプログラムをスタンドアロンアプリケーションとして実行するには、図9に示すように、「ツール」→「DSP Module」→「Download to Flash Memory」を選択します。すると LabVIEW DSP モジュールは、DSP のフラッシュメモリにアプリケーションをダウンロードします。DSP ターゲットがリセットされた場合、アプリケーションはスタンドアロンモードで実行を開始します。

まとめ

DSP 設計技術者や信号処理を学ぶ学生は、これまで DSP システムの構築において多くの難題に直面してきました。LabVIEW DSP のようなグラフィカルプログラミングツールは、実装に関する詳細を抽象化しますので、DSP アプリケーションのプロトタイプの作成と実装がより迅速にできるようになっています。直感的なグラフィカル環境を使用することで、初心者でもコンセプトを短時間で学習することが可能です。

DSP にグラフィカルプログラミングを利用することで、ブロックダイアグラムから直接オブジェクトコードを作成できるため、DSP アプリケーションの開発を効率化することができます。LabVIEW DSP モジュールを使用すると、実践的な学習方式によって DSP の概念を身に付けることが可能です。そのため学生にとっては理論と実環境を結び付けやすく、DSP の重要性の認識を高めることができます。設計と開発にかかる時間の短縮や、優れた保守性、グラフィカルプログラミングによる自己文書化機能により、DSP の概念を簡単に楽しく指導、学習できます。

 

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法律関連事項
本チュートリアル(以下「チュートリアル」という)は、National Instruments(以下「NI」という)によって作成されたものです。本チュートリアルは、NIにてサポートされていますが、本チュートリアルの内容に関するテストや検査が完全に行われていない可能性があり、チュートリアルの品質について、もしくは、関連製品およびドライバの各改訂版に対するサポート継続については、何らの保証も適用されません。本チュートリアルは、いかなる保証もなく「作成された状態のまま」で提供されており、ni.com/jpの使用条件に特別に規定されている特定の制約事項に従うものとします。 (http://ni.com/legal/termsofuse/japan/ja/)