音響/振動計測システムを選ぶにあたって考慮すべき10の条件
概要
音響/振動の解析は、製品の設計、製造テスト、機械設備の診断、プロセス制御などにおいて行われます。例えば製品設計では、ANSI、IEC、ISO などの規格に準拠するため、音響レベルや騒音を修正することが必要になる場合があります。また、市場のニーズに合わせて設計を微調整することもあります。ここでは、自動車のドアラッチのメカニズムをユーザが満足するように微調整したり、排気マニホルドを修正してエンジン音のトーンを変更する例を紹介します。 音響/振動解析により、機械の性能や信頼性を高めることもできます。振動を低減することで、動作速度や精度の向上、部品寿命の延長、熱的効果の軽減、省エネルギーなどの効果を得ることができます。 適用可能なアプリケーションには、音響計測、振動解析、ノイズ・振動・ハーシュネス(NVH)計測、オーディオ解析、構造力学、音質評価/計測、機械監視、予知保全、回転機械解析などがあります。 音響と振動を計測するには、センサから計測結果までの全システムを構成する必要があります。そのようなシステムはサイズや条件などが多様なため、当然必要なコンポーネントも異なります。ナショナルインスツルメンツ(NI)では、音響/振動計測システムを作成するためのツールを各種ご用意しています。システムの条件によって、あらゆる組み合わせのハードウェアとソフトウェアを使用できます。お客様の音響/振動計測システムに最適な NI ハードウェア/ソフトウェアを選ぶ際に考慮すべき10の条件を以下に示します。
目次
どのようなセンサを使用していますか?
選ぶセンサのタイプは、計測する信号により異なります。音響/振動アプリケーションでは、加速度、変位、音圧レベルなどの信号が一般的に使用され、それぞれ加速度計、近接プローブ、マイクロフォンを使って計測します。センサのタイプによって使用すべきハードウェアが決まるため、まずどのようなセンサを使用するかを特定することが先決です。センサのタイプによって、さらに以下のような条件を考慮する必要があります。
-
どのような信号調節が必要ですか?
-
センサの周波数範囲は?
-
センサにはどのようなダイナミックレンジが必要ですか?
どのような信号調節が必要ですか?
データ集録ハードウェアでA/D変換する前に、センサからの信号には増幅、フィルタリング、センサ励起、入力構成など、何らかの調節が必要となります。NI では、電圧モードやIEPE(アンプ内蔵)マイクロフォン/加速度計用の励起機能を組込んだ製品など、各種ハードウェアを取り揃えています。次の表は、各 NI 製品が搭載する様々な信号調節オプションの特定値を示しています。
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Product
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IEPE
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Alias Rejection
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AC Coupling
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Input Configuration
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あり
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-120 dB
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3.4 Hz
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差動型/擬似差動型
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|
|
あり |
-120 dB |
3.4 Hz
|
差動型/擬似差動型
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|
|
あり |
-120 dB |
0.5 Hz |
擬似差動型
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|
|
あり |
-120 dB |
0.5 Hz |
擬似差動型
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|
|
あり |
-110 dB
|
0.5 Hz
|
擬似差動型
|
|
|
あり |
-110 dB
|
3.4 Hz
|
擬似差動型
|
|
|
あり |
-120 dB |
0.5 Hz |
差動型
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|
|
あり |
-50 dB
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0.2 Hz
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差動型/シングルエンド型
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|
|
あり |
-60 dB
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0.8 Hz
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差動型/シングルエンド型
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参考資料:
NI 4461 data sheet
NI 4462 data sheet
NI 4496 data sheet
NI 4498 data sheet
NI 4472 data sheet
NI 4474 data sheet
NI 9233 data sheet
SCXI-1530 data sheet
SCXI-1531 data sheet
SCC-ACC01 data sheet
どの周波数範囲が対象ですか?
全てのセンサには、動作の対象となる周波数範囲があります。対象の周波数範囲に対して十分な範囲を持つセンサを選ぶ必要があります。同様に、測定ハードウェアも対象の信号に対して十分な周波数範囲がなくてはなりません。エイリアスを防ぐため、NI 製品にはアンチエイリアスフィルタが付属されています。アンチエイリアスフィルタは、ナイキストサンプリング定理で規定するとおりに、デバイスの最大周波数範囲を最大サンプリングレートの半分より少し下までカットするものです。次の表は、各NIデバイスの最大周波数範囲を示しています。
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製品名
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NI 4461
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NI 4462 |
NI 4496 |
NI 4498 |
NI 4472
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NI 4474
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NI 9233 |
SCXI-153x
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SCC-ACC01
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最大周波数範囲
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95 kHz
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95 kHz
|
95 kHz
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95 kHz
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47 kHz
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47 kHz
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20 kHz |
20 kHz
|
5 kHz
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必要なダイナミックレンジは?
ダイナミックレンジとは、デバイスが計測可能な最大入力信号に対して、どれほど小さな信号を計測できるかの基準です。デシベルで表すダイナミックレンジは、20ログ(Vmax/Vmin)となります。例えば、NI 4472は±10 Vの入力範囲、110 dBを超えるダイナミックレンジを備え、電圧比は106となっています。最大信号は10 Vであるため、NI 4472で計測可能な最小信号は10 μVとなります。したがって、入力範囲と指定のダイナミックレンジは、システムのニーズを特定する上で重要な条件です。次の表は、NIデバイスの入力範囲とダイナミックレンジの一覧です。
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製品名
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NI 4461*
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NI 4462* |
NI 4496* |
NI 4498* |
NI 4472
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NI 4474
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NI 9233 |
SCXI-153x
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SCC-ACC01
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ダイナミックレンジ
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116 dB
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118 dB
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113 dB
|
113 dB
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110 dB
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110 dB
|
90 dB
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80 dB
|
80 dB
|
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入力範囲
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+/-316 mV to
+/-42.4 V |
+/-316 mV to
+/-42.4 V |
+/-316 mV to
+/-10 V |
+/-316 mV to
+/-10 V |
+/-10 V
|
+/-10 V
|
+/-5 V
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+/-24 V
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+/-5 V
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*これらの製品は、入力範囲を変更してダイナミックレンジを効果的に高めることができます。
何チャンネルのアナログ入出力が必要ですか?
音響/振動アプリケーションでは、アプリケーションによって必要なアナログ入出力チャンネル数が異なります。NI のツールを使用すると、デバイスを増やすだけでご希望のチャンネル数をシステムに追加することができます。例えば、8チャンネルの入力を搭載したNI 4472の場合、18スロットの PXI シャーシと7つのモジュールを使用することで112チャンネルのアナログ入力を実現できます。さらに、複数のシャーシで最大5,000チャンネルを同期することもできます。次の表は、各 NI デバイスに搭載されたチャンネル数を示したものです。
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製品名
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プラットフォーム
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アナログ入力チャンネル
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||
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PXI
|
PCI
|
USB
|
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NI 4461
|
あり
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|
2
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|
NI 4462 |
あり |
あり |
|
4 |
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NI 4496 |
あり |
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|
16 |
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NI 4498 |
あり |
|
|
16 |
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NI 4472
|
あり
|
あり
|
|
8
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NI 4474
|
|
あり
|
|
4
|
|
NI 9233 |
あり |
4 |
||
*通常のデスクトップコンピュータの場合は、加熱・冷却の問題があるため、使用するデバイスは多くても3台までにすることをお奨めします。適切な冷却機能や電源条件を備えた工業用コンピュータなら、4台以上のデバイスを使用することができます。
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製品名
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プラットフォーム
|
アナログ出力チャンネル
|
|
|
PXI
|
PCI
|
||
|
NI 4461
|
あり
|
|
2
|
|
NI 5411
|
あり
|
あり
|
1
|
|
NI 5401
|
あり
|
あり
|
1
|
|
NI 6731
|
あり
|
あり
|
4
|
|
NI 6733
|
あり
|
あり
|
8
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位相情報は必要ですか(同時サンプリング)?
同時サンプリングは、2つのチャンネル間の位相情報が必要となるアプリケーションに必須です。位相情報は、音響強度、構造解析や周波数応答などのアプリケーションで使用されます。同時サンプリング機能は、ほとんどの NI 音響/振動計測製品に搭載されています。
また、ほとんどの NI 製品で、複数のチャンネル間の位相情報による複数デバイスの同期が可能です。PXI 用 NI 4472は、PXI スタートリガバスを使って複数のモジュール間での同期を行います。そのため、同じシャーシ内の2チャンネル間において、製品の全周波数範囲での位相不一致を0.5度未満に確実に低減できます。RTSI バスを使用すれば、PCI 対応の NI 44xxデバイスを同期できます。SCXI-153xモジュールは、RTSI バス経由で同期された複数の DAQ デバイスと並列で使用することで、同期が可能となります。各デバイスに1チャンネルしか搭載していない SCC-ACC01モジュールは、2台以上を同期することができません。次の表は、同時サンプリング機能と複数デバイス同期機能を備えた NI デバイスの一覧です。
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製品名
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同時サンプリング
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複数デバイスの同期
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NI 4461
|
あり
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PXI ボード:500枚以上、
最大3,000チャンネル
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NI 4462
|
あり
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PCI ボード:5枚まで
PXI ボード:500枚以上、
最大3,000 チャンネル
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NI 4496
|
あり
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PXI ボード:500枚以上、
最大13,000チャンネル
|
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NI 4498
|
あり
|
PXI ボード:500枚以上、
最大13,000チャンネル
|
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NI 4472
|
あり
|
PCI ボード:5枚まで
PXI ボード:500枚以上、
最大3,000 チャンネル
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NI 4474
|
あり
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PCI ボード:5枚まで、最大20チャンネル
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NI 9233
|
あり
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最大32チャンネル
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SCXI-153x
|
あり
|
可
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SCC-ACC01
|
なし
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参考資料:
PXI に関する情報
どのような計測を行う必要がありますか?
NI では、集録信号の解析用ソフトウェアツールを多数取り揃えています。パワースペクトル、オクターブ解析、次数解析などの処理が必要になることもありますが、LabVIEW には、さまざまなアプリケーションに対応する周波数計測・解析ツールが含まれています。LabVIEW のアドオンソフトウェアである音響/振動ツールキットと音響/振動ソフトウェアパッケージには、各アプリケーションに特化した解析機能が搭載されています。
各製品に搭載されているツールキットや機能の詳細については、NI 音響/振動ソフトウェアをご覧ください。
参考資料:
必要な処理能力やディスク容量は?
通常音響/振動計測システムにおける「リアルタイム操作」や「オンライン操作」とは、解析、表示、保存などのタスクを少なくともデータの集録と同じ速度で実行する機能のことをいいます。
「ギャップフリー処理」とは、全ての集録データに対しもれなくオンライン解析を行うことをいいます。全てのアプリケーションでギャップフリー解析が必要なわけではありません。例えば、多チャンネルの機械監視アプリケーションでは、全データをディスクに記録しながらも、ごく一部のデータに対してしか基本的なオンライン解析を行わないのが一般的となっています。さらに必要に応じて、保存したデータに対しオフラインで解析を行うこともできます。
アプリケーションの処理や保存の条件を満たすため、計測システムには十分な処理能力やハードドライブ容量を確保することが重要です。いくつかの例を以下に示します。これらの例では、他の条件(例えば、ディスクストレージの例ではオンラインFFTなど他の処理)については考慮していません。また、下記数値は参考であり、PCやその他環境に依存するため、保障できる数値ではありません。PXI-8176組込コントローラは、PXI-4472 2枚分のデータ(16チャンネル)を102.4 kS/秒で未処理のバイナリデータとしてディスクに連続ストリーミングできます。
- PXI-8176組込コントローラは、PXI-4472 1枚分のデータ(8チャンネル)に対し102.4 kS/秒でFFTパワースペクトルの計算を連続で行うことが可能です。
- 一般的なIDEドライブを搭載した3.2 GHzのデスクトップPCは、PXI-4472 4~6枚分のデータ(32~48チャンネル)を102.4 kS/秒で未処理のバイナリデータとしてディスクに連続ストリーミングできます。
- 3.2 GHzのデスクトップPCは、PXI-4472 4枚分のデータ(32チャンネル)に対し102.4 kS/秒でFFTパワースペクトルの計算を連続で行うことが可能です。
- 3.2 GHzのデスクトップPCは、PXI-4472 1枚分のデータ(8チャンネル)に対し102.4 kS/秒で1/3オクターブスペクトルの計算を連続で行うことが可能です。
- RAID 0(Redundant Array of Inexpensive Drive)システムと複数のIDEドライブを備えたIntel E7505チップセット搭載のデスクトップサーバマシンは、PXI-4472 9枚分データ(72 チャンネル)を102.4 kS/秒でディスクに連続ストリーミングできます。
- デュアルプロセッサマシンを使用すると、同じクロックレートで動作するシングルプロセッサマシンを使用した場合に比べ、オクターブ解析やデジタルフィルタ操作で約80%の向上を実現できます。ただし、FFT解析の場合はデュアルプロセッサを使ってもあまり効果はありません。
- 高性能PCI/AGPビデオカードを使用すると、表示の負荷が大きいアプリケーションの性能の向上を実現することができます。
NI PXI-447x/PXI-4461デバイスは、LabVIEW Real-Time に完全対応しています。RT は確定型オペレーティングシステム上で動作しますので、集録・処理操作(ディスクストリーミングを除く)において確定的性能を実現します。LabVIEW RT は、極めて高い信頼性と確定性が求められる音響/振動アプリケーションに最適なプラットフォームです。ただし RT では、一般に特定のハードウェア構成の集録や処理の平均速度が向上するわけではありません。
処理およびディスク帯域幅の問題の詳細については、下記のリンクを参照してください。
ポータブル計測システムは必要ですか?
NI では、多くのアプリケーションに利用できる3つのポータブルソリューションをご用意しています。第1の構成では、NI-9233を USB 接続可能な NI-9172シャーシに挿入し、ノートブック型コンピュータを使用します。第2の構成では SCC モジュールと DAQCard を挿入したノートブック型コンピュータを使用します。第3の構成では、NI 4472または NI 4461モジュールを挿入した4スロットの PXI シャーシを使用します。この構成では、最大24チャンネルのポータブルソリューションを実現できます。
ポータブル構成
1. NI-9233、NI-9172、cDAQ シャーシ、ノートブック型 PC、LabVIEW、音響/振動ツールキット

2. SCC-ACC01、SC-2345、DAQCard AI-16XE-50、ノートブック型コンピュータ、LabVIEW、音響/振動ツールキット

3. NI 4472、PXI-1002、PXI コントローラ、LabVIEW、音響/振動ツールキット
ご予算は? リアルタイム処理、ディスクへのストリーミングなどは必要ですか?
どのような音響/振動計測システムの構築においても、これは重要な条件です。NIでは、従来型の音響/振動計測システムのコストの数分の1ほどでシステムを構成できるツールをご用意しています。個々のシステムのコストは、使用するコンポーネントにより異なります。各製品の価格については、こちら(ni.com/products/ja)をご覧ください。
NIでは、音響/振動計測システムに適したツールを多数取り揃えています。既存のハードウェアやソフトウェアを使用して、お客様のアプリケーションに合わせてシステムを自由に拡張しカスタマイズすることが可能です。また、構築したシステムを歪み、温度、カメラなど他の計測と統合して、完全な計測システムを構成することもできます。
参考資料
解析に関する各種資料(英語)
法律関連事項
本チュートリアル(以下「チュートリアル」という)は、National Instruments(以下「NI」という)によって作成されたものです。本チュートリアルは、NIにてサポートされていますが、本チュートリアルの内容に関するテストや検査が完全に行われていない可能性があり、チュートリアルの品質について、もしくは、関連製品およびドライバの各改訂版に対するサポート継続については、何らの保証も適用されません。本チュートリアルは、いかなる保証もなく「作成された状態のまま」で提供されており、ni.com/jpの使用条件に特別に規定されている特定の制約事項に従うものとします。 (http://ni.com/legal/termsofuse/japan/ja/)
