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このドキュメントは、「センサ・信号計測の理論と実測ガイド」 ポータルサイトの一部です。
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エンコーダの種類とアプリケーション
エンコーダとは、動きや位置を測定できる電気機械装置です。ほとんどのエンコーダは光センサを使用して、パルストレイン形式の電気信号を出力します。このパルス信号の変化で、方向、または位置が測定できます。エンコーダは回転を測定するためのロータリエンコーダと、直線変位を測定するためのリニアエンコーダの2種類に分類されます。
| ロータリエンコーダ ロータリエンコーダはシャフトの回転運動の測定に使用されます。図1は、ロータリエンコーダの基本要素である、発光ダイオード(LED)、ディスク、そしてディスク裏面にある光センサを示しています。回転シャフトに取り付けられたディスク上に、コードトラックと呼ばれる不透明/透明なセグメントが形成されています。ディスクが回転すると、不透明なセグメントが光を遮り、透明なガラス部分が光を通します。これにより、パルス信号が生成され、位置または動きを測定することができます。 |
エンコーダには通常、1回転あたり100~6,000のセグメントがあります。セグメントの数によって回転角の検出分解能が変わります。例えば、100セグメントのときは3.6度の分解能、6,000セグメントのときは0.06度の分解能が実現できます。
リニアエンコーダ
リニアエンコーダは直線の機械的変位量を検出するために使用します。
リニアエンコーダもロータリエンコーダと同じ原理で動作します。構造はロータリエンコーダを直線に展開した形です(これ以降、本資料ではロータリエンコーダを中心に説明します)。

図1.光学式エンコーダの基本要素
また、エンコーダは位置基準や出力形式によって分類でき、相対位置を出力するインクリメンタル型エンコーダと、絶対位置を出力するアブソリュート型エンコーダの2種類に分類できます。
インクリメンタル型エンコーダ
インクリメンタル型エンコーダは、軸の回転変位量に応じてパルス信号を生成します。インクリメンタル型エンコーダは絶対位置を出力しませんが、低価格であり、精度の高い情報を提供します。例えば、コードトラックが1本のインクリメンタル型エンコーダは、タコメータエンコーダと呼ばれ、出力パルスの周波数が変位速度を示します。しかし、1チャンネル出力のエンコーダは、回転方向を示しません。回転方向を計測するためには、後述の2チャンネルのクワドラチャエンコーダを用い、検出器2個とコードトラック2本を利用します。
アブソリュート型エンコーダ
アブソリュート型エンコーダは、回転軸の位置に応じて特定のワードパターンを生成します。アブソリュート型エンコーダの回転ディスク上のコードトラックは、通常4本から6本あり、コード化されて、2進数コード、BCD、またはグレイコード出力を生成します。アブソリュート型エンコーダは、機器が長期間停止している場合、電源切断の危険がある場合、または開始位置が不明の場合によく利用されます。
アブソリュート型エンコーダに使用されている回転ディスク上のコードトラックは、ダーツボードの的のように同心円を描いています(図2)。同心円は回転ディスクの外側に向かって広がるにつれ、各輪のセグメント数は1つ内側の輪のセグメント数の倍になっていきます。最も内側の輪を見ると、透明のセグメントと不透明のセグメントが1つずつあります。次に真ん中から2つ目の輪には、透明/不透明のセグメントが2つずつあり、3つ目の輪では4つずつになります。図2の回転ディスクに10個の輪がある場合、最も外側の輪には、透明/不透明のセグメントが512セグメントずつあることになります。


図2.光学式アブソリュートエンコーダの基本構造と回転ディスク
アブソリュート型エンコーダの回転ディスク上の各輪に対して光源および光センサが割り当てられています。つまり、10個の輪があるエンコーダには、光源と光センサのセットが10組あることになります。このような構造から、アブソリュート型エンコーダの出力値は2進法になり、10個の輪があるエンコーダは10ビットの分解能を持つことになります。例えば、マシンの移動距離が10インチで、そのエンコーダが10ビット分解能の場合、マシンの分解能は10/1024、つまり約0.0098インチになります。
クワドラチャエンコーダ
インクリメンタル型エンコーダのうち、1組のパルス信号しか出力しないエンコーダの場合、回転方向が判別できないため不便です。回転方向を判別するには、クワドラチャエンコーダを使用します。クワドラチャエンコーダは、セクタに90度のずれがあるコードトラックを2本利用し(図3)、2つの出力チャンネル(AとB)で位置と回転方向の両方を示します。例えば、AがBに先行している場合は、ディスクは時計回りに回転していることになり、逆にBがAに先行している場合は、ディスクは反時計回りに回転していることになります。したがって、パルス数と信号AおよびBの相対的な位相を監視することによって、位置と回転方向の両方を知ることができます。

図3.クワドラチャエンコーダのAおよびB出力信号
加えて、クワドラチャエンコーダの一部には、0信号または基準信号と呼ばれる3つ目の出力チャンネルがあり、1回転するごとに1つのパルスを出力します。このパルスは、参考位置を正確に決める場合に利用することができます。エンコーダのほとんどでは、この信号はZ端子または指標と呼ばれています。
ここまでで説明したのは、シングルエンドのインクリメンタル型クワドラチャエンコーダと呼ばれるものです。シングルエンドと呼ばれる理由は、AおよびBの信号がどちらもグランドを基準としているため、1信号につき1本のワイヤ(エンド)を使用するからです。もう一つよく使用されるエンコーダに差動エンコーダがあります。このエンコーダでは、AとBの各信号につき、2本ずつワイヤが使用されます。A信号はそれぞれA’とAの2本あり、B信号もそれぞれB’とBの2本です。その2本の信号線からは互いに反対論理のパルスが出力されます。具体的には、AがVccのとき、A’は0 Vになり、Aが0 Vのとき、A’はVccになります。 差動エンコーダは、電気的ノイズの多い環境でよく使用されます。差動測定によって信号の整合性が保護されるからです。
エンコーダ測定の理論と実測
エンコーダ測定を行うには、カウンタと呼ばれる電子部品が必要です。複数の入力に基づいて、基本カウンタはカウントされたエッジ(波形における立ち上がり)数を表す値を表示します。ほとんどのカウンタには、お互い関連のある3つの入力(ソース、アップ/ダウン、ゲート)を持ちます(図4)。カウンタは、ソースに入力されたイベントをカウントし、アップ/ダウンラインの状態に応じて、カウントを増加したり減少させたりします。例えば、アップ/ダウンラインがHIGHの場合、カウンタのカウントは増加し、LOWの場合はカウンタのカウントは減少します。

図4.カウンタの簡易モデル
エンコーダには通常、計測器に接続する必要のある5つのワイヤがあります。エンコーダによってこれらのワイヤの色は変わります。これらのワイヤを使用して、エンコーダに電源を供給したり、A、B、およびZ信号を読み込んだりすることができます。図5は、シングルエンドのインクリメンタル型エンコーダのピン配列表を示しています。

図5.シングルエンドのインクリメンタル型エンコーダのピン配列
次に、これらのワイヤの各接続先を決定します。前述のカウンタの場合、信号Aはソース端子に接続し、この信号のパルスがカウントされるようにします。信号Bはアップ/ダウン端子に接続し、+5 VDCおよびグランド信号は任意の電源に接続できます。ほとんどの場合、データ集録デバイスのデジタルラインで事足ります。
エッジをカウントしたら、次に、これらの値を位置に変換する方法について考える必要があります。エッジのカウントを位置に変換するプロセスは、使用しているエンコーディングの種類によって異なります。エンコーディングには、基本的にX1、X2、およびX4といった3つの種類があります。
X1エンコーディング
図6は、X1エンコードの直交サイクルとその結果の増分値または減分値を示しています。チャンネルAがチャンネルBに先行する場合、チャンネルAの立ち上がりエッジでカウンタの値が増分します。チャンネルBがチャンネルAに先行する場合、チャンネルAの立ち下がりエッジでカウンタの値が減分します。

図6.X1エンコーディング
X2エンコーディング
X2エンコードでも同様の現象が見られますが、カウンタがチャンネルAの各エッジで増分または減分する点で異なります(増分/減分はどちらのチャンネルが先行するかで決まります)。図7のように、各サイクルによって、2つの増分または2つの減分が発生します。

図7.X2エンコーディング
X4エンコーディング
X4エンコーディングでは、カウンタは、チャンネルAおよびBの各エッジで同様に増分または減分します。カウンタの増分/減分はどちらのチャンネルが先行するかで決まります。図8のように、各サイクルによって、4つの増分または4つの減分が発生します。

図8.X4エンコーディング
エンコーディングの種類を設定してパルスをカウントしたら、位置への変換には次の式を使用します。
回転位置
回転量は次のようになります。 ![]()
Nはエンコーダが1回転ごとに生成するパルスの数です。
Xはエンコーディングの種類です。
線形位置
移動量は次のようになります。 ![]()
PPIはインチごとのパルス(各エンコーダに特有のパラメータ)です。
エンコーダを使用した実例
このセクションでは、NI cDAQ-9172シャーシおよびNI 9401 CシリーズデジタルI/Oモジュールを使用した実測事例を紹介します。異なる計測器やデバイスを使用する場合も、同様の手順に従います。
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図9.NI CompactDAQとNI 9401デジタルI/Oモジュールの組み合わせ
必要な機器は次のとおりです。
- NI cDAQ-9172 CompactDAQシャーシ
- NI 9401、8チャンネル、5 V/TTL高速双方向デジタルI/Oモジュール
- 24パルス/回転、回転クワドラチャエンコーダ
NI 9401には、8デジタルチャンネルに接続するためのD-Subコネクタが備わっています(図9)。各チャンネルにはデジタルI/Oピンが備わっており、デジタル入力/出力デバイスを接続することができます。cDAQ-9172を用いてクワドラチャエンコーダの測定を行うには、NI 9401モジュールをスロット5に挿入します。図10は、NI 9401のピン配列を示して、表1はデフォルトのカウンタ端子を示しています。

図10.NI 9401ピン配列(スロット5)

表1.デフォルトのカウンタ端子
これらの仕様に従って、ワイヤAはピン14に、ワイヤBはピン17に、「5 VDC電源」は「high」に設定された未使用の任意のデジタルラインに、「グランド」は任意のCOM端子に、それぞれ接続します。
測定結果の表示
エンコーダを計測デバイスに接続し、NI LabVIEWグラフィカルプログラミングソフトウェアを使用することにより、エンコーダが出力するパルスのエッジカウントや、それに相当する位置の表示ができます(図11)。
図11.LabVIEWフロントパネルで表示した計測
推奨ソフトウェアとハードウェア
エンコーダWebイベント、チュートリアルなどのハウツーリソース
技術サポートデータベース:ラインドライバ、オープンコレクタ、プッシュプルクワドラチャエンコーダの違い、および選択の仕方
Legal
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