NI CompactRIOおよびNIシングルボードRIOを使用した試作用ボードの作成から低コスト実装まで
概要
設計プロセスの初期段階で実装ハードウェアを考慮しておくと、市場投入までの時間が短縮できます。実装製品に試作システムのソフトウェアおよびハードウェアの大部分を再利用すれば、作業のやり直しをなくして、より信頼性の高い組込システムやマシンをよりすばやく実装することができます。
目次
NI再構成可能I/O(RIO)の実装オプション

図1. NI RIO実装オプション:試作用ボードの作成から低コスト実装まで
ナショナルインスツルメンツは、一般的な再構成可能I/O(RIO)アーキテクチャを共有する商用(COTS)ハードウェアを豊富に取り揃えています。このアーキテクチャでは、リアルタイムプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)、および広範囲なI/O(アナログ、デジタル、モーション、通信I/Oなど)を組み合わせます。こうした標準アーキテクチャおよびNI LabVIEWグラフィカル開発ツールを使用して、柔軟な高性能ハードウェアを備えた組込システムおよび工業用監視/制御マシンを迅速に設計・試作することができます。コードを完全再利用すれば、試作と同じハードウェアアーキテクチャを使用して、コスト最適化された実装システムをすばやく実現できるため、コストを削減して、市場投入までの時間を短縮できます。
NIシングルボードRIO組込式制御/集緑ハードウェアNEW!
新しいNIシングルボードRIO組込製品は、NI RIO実装オプションシリーズを拡張して、低コストなボードレベル組込ハードウェアを提供します。ここでも、標準のNI RIOアーキテクチャおよびLabVIEWを使用して、柔軟性のあるモジュール式CompactRIOで組込システムを短期間で試作し、新しい低コストなNIシングルボードRIO組込ハードウェアにすばやく実装できます。試作で使用したLabVIEWコードをそのまま実装できるため、市場投入までの時間を短縮して、組込デバイスおよびマシンの信頼性を向上することができます。この新しいNIシングルボードRIO製品には次の機能が含まれています。
- シングルボード組込制御/集録
- 迅速な開発を促進するLabVIEWグラフィカルプログラミングおよびミドルウェアドライバツール
- 信頼性の高いスタンドアロン操作および信号処理を実現するオンボードリアルタイムプロセッサ
- カスタムI/Oタイミングおよび処理を実現するオンボードFPGAチップ
- オンボードアナログI/OおよびデジタルI/O
- ボードレベルの組込設計に適した低コストシステム
図2. NIシングルボードRIOを使用して、プロセッサ、FPGA、アナログI/O、デジタルI/Oを1つのボードに統合。このシングルボードはLabVIEWグラフィカルツールでプログラム可能。
各NIシングルボードRIOデバイスでは、組込リアルタイム用プロセッサ、高性能FPGA、オンボードアナログおよびデジタルI/Oが1つのボードに統合されます。ナショナルインスツルメンツのその他のRIOハードウェアと同様、I/OはFPGAに直接接続して、タイミングおよびI/O信号処理を低レベルでカスタマイズします。FPGAは高速PCIバスで組込リアルタイム用プロセッサに接続します。LabVIEWにはデータ転送メカニズムが組み込まれており、データをI/OからFPGA、FPGAから組込プロセッサに渡して、リアルタイム解析や後処理、データロギング、ネットワーク接続されたホストコンピュータとの通信などを行います。
「ナショナルインスツルメンツのCompactRIO組込システムとLabVIEWを採用したことで、当社のVisica2医療装置に搭載されている制御システムの設計・試作・実装を短期間で終わらせることができました。市場投入時期の目標を達成できただけでなく、カスタムハードウェアを構築せずにすんだことでコストの削減にもつながりました。また、RIOアーキテクチャおよび新しい低コストハードウェアを併せて使用したことが、さらなるコスト削減にも役立ちました。ソフトウェアを再設計する必要もなければ、新たな設計を一からやり直す必要もなく、低コストのハードウェアを使用して大量の機械を実装することができました。
Sanarus Medical社の主席システムエンジニア、Jeff Stevens氏
LabVIEWグラフィカル開発環境では、リアルタイムプロセッサ、再構成可能FPGA、およびRIO組込システムのI/Oをプログラミングして、その同じLabVIEWプロジェクトを使用して、組込制御/監視/処理/ロギングアプリケーションを作成できます。専用のLabVIEWモジュールを使用すれば、リアルタイムプロセッサ(LabVIEW Real-Timeモジュールを使用)、およびFPGA(LabVIEW FPGAモジュールを使用)をプログラミングできます。LabVIEWには多数のミドルウェアドライバが用意されており、RIO組込システムの全てのハードウェアコンポーネント(アナログおよびデジタルI/O、FPGA、プロセッサ、周辺機器、およびメモリ)の統合プロセスがスムーズに行えます。

図3. プロセッサ、FPGA、およびI/Oの全てのコードをLabVIEWプロジェクトで管理して記述する
LabVIEW Real‐Timeモジュール
システムの組込リアルタイムプロセッサのプログラミングを行うLabVIEW Real-Timeモジュールには、浮動小数点制御、処理、解析、データロギング、および通信の関数ブロックが搭載されています。LabVIEW Real-Timeモジュールには次の機能が含まれています。
- 分散型組込リアルタイムシステムの容易なネットワーク接続を実現するLabVIEWのシェア変数技術
- マイクロ秒分解能を持った確定性の高いソフトウェアタイミング
- 600を超える高度な浮動小数点制御および信号処理関数
- 既存のC/C++コードの統合
- 既存システムを迅速に実装するシステム複製ツール
LabVIEW FPGAモジュール
LabVIEW FPGAモジュールでは、RIOハードウェアシステムの再構成可能FPGAを迅速にプログラミングして、カスタム/高速制御、I/Oタイミング、および信号処理を実現します。LabVIEW FPGAモジュールには次の機能が含まれています。
- 既存のHDLコードを容易に統合するコンポーネントレベルIP(CLIP)ノード
- リアルタイムとFPGA間の通信コードを迅速に設計するFPGAウィザード
- 初心者にもわかりやすいFPGAプロジェクトウィザード
- FPGAベースの制御、ステートマシンなどを実装するLabVIEW Statechart(ステートチャート)モジュール
- 開発およびデバッグを容易にするFPGAシミュレーション機能
- 固定小数点FPGA IP関数ブロック
- 高速フーリエ変換(FFT)
- マルチチャンネルPID
- 信号発生器
- ノッチフィルタ
- あらかじめ構築されたLabVIEW FPGA関数およびIPは全て IPNet で参照可能
ミドルウェアドライバツール
組込設計で最も厄介な問題の一つは、ドライバレベルのソフトウェアスタックを作成、デバッグ、および検証して、組込システムのハードウェアコンポーネント全てを統合することです。従来の方法では、こうした統合プロセスをユーザ自身が解決しなければならず、組込システム設計プロセスは複雑を極め、長期化します。
NIミドルウェアドライバは、従来のシングルボードコンピュータやその他の組込システムのプロバイダが提供する基本ドライバと比較して、生産性および性能の点で上回り、市場投入までの時間も短縮されます。ドライバソフトウェアおよび追加の構成サービスソフトウェアは全てのRIO対応デバイスに含まれています。内蔵ミドルウェアドライバツールには次の機能が含まれています。
- アナログ、デジタル、モーション、および通信I/OとFPGA間の接続を行う関数
- FPGAとプロセッサ間のデータ通信を行う伝達関数
- FPGA/プロセッサをメモリに接続するメソッド
- プロセッサを周辺機器(RS232シリアル、イーサネット)に接続する関数
- 高性能を実現するマルチスレッドドライバ
試作から実装への移行
複数のフォームファクタを持つRIOプラットフォームには、試作および実装オプションが豊富に用意されています。CompactRIO統合システムおよびNIシングルボードRIOはより大きな組込システムに対して最適な機能を提供します。その他のボードレベル製品と同様、NIシングルボードRIO組込ハードウェアでは、設計が電磁両立性(EMC)などの規格に準拠する必要があり、適切な放熱が行われる必要があります。パッケージ化された既製のCompactRIOシステムはこうした規格に準拠しています。表1の仕様を参照して、アプリケーションのニーズを最も満たすRIOハードウェアを選択してください。
|
|
CompactRIO |
CompactRIO |
NIシングルボードRIO |
|
温度範囲 |
-40~70 ºC |
-20~55 ºC |
-20~55 ºC |
|
EMC準拠 |
√ |
√ |
− |
|
ケース付属 |
√ |
√ |
− |
|
コントローラとシャーシの組み合わせ可能 |
√ |
− |
− |
|
Cシリーズスロットまたは拡張 |
4~8スロット |
8スロット |
拡張I/O用コネクタ3つ |
|
USBベースストレージ用Full-Speed USBホストポート |
√ |
− |
− |
|
内部不揮発性ストレージ |
最大2 GB |
最大256 MB |
最大256 MB |
|
電源入力範囲 |
デュアル9~35 VDC |
シングル19~30 VDC |
シングル19~30 VDC |
|
FPGA |
Xilinx Virtex FPGA |
Xilinx Spartan-3 FPGA |
Xilinx Spartan-3 FPGA |
表1. NI RIOハードウェア製品比較
CompactRIOおよびNIシングルボードRIOの詳細
システム構成方法
法律関連事項
本チュートリアル(以下「チュートリアル」という)は、National Instruments(以下「NI」という)によって作成されたものです。本チュートリアルは、NIにてサポートされていますが、本チュートリアルの内容に関するテストや検査が完全に行われていない可能性があり、チュートリアルの品質について、もしくは、関連製品およびドライバの各改訂版に対するサポート継続については、何らの保証も適用されません。本チュートリアルは、いかなる保証もなく「作成された状態のまま」で提供されており、ni.com/jpの使用条件に特別に規定されている特定の制約事項に従うものとします。 (http://ni.com/legal/termsofuse/japan/ja/)

