次数解析の定義



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発行年月: 2018年6月
製品番号: 370858P-0112
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次数解析とは、機械を回転または往復運動させたときのノイズおよび振動信号を解析する技術です。機械の回転または往復運動の例には、航空機や自動車のエンジン、コンプレッサ、タービン、ポンプなどがあります。こうした機械には通常、シャフト、軸受、ギアボックス、ブレード、連結器、ベルトといったさまざまな工学部品が備わっています。機械の動作に合わせて、それぞれの工学部品からは固有のノイズと振動パターンが生成されます。各工学部品が、独特の成分として機械全体のノイズと振動の原因となります。

ノイズおよび振動信号を解析する最も一般的な方法の1つが高速フーリエ変換(FFT)解析です。FFTのパワースペクトラムでは、ノイズと振動信号の周波数成分が特定され定量化されます。特定の周波数成分を特定の工学部品に関連付けることで、FFTパワースペクトラムを使用して機械の診断を行うことができます。

次の図には、PCのファンから生成された振動信号に対して行われたFFT解析が示されています。PCのファンには4個のコイルと7個のブレードが備わっています。PCのファンの振動信号は、シャフト、コイル、およびブレードからの振動の累積です。シャフトは回転速度と同じ速度で回転しますが、コイルおよびブレードの通過速度は、それぞれ回転速度の4倍および7倍です。シャフトで生成される振動信号は、回転速度と同じ周波数となります。コイルおよびブレードで生成される振動信号は、回転速度の4倍および7倍の周波数となります。コイルとブレードの振動信号は、回転速度の4倍および7倍の高調波となります。PCのファンが一定の速度で回転した場合、振動信号のFFTのパワースペクトラムには回転速度時のピークと、回転速度の4倍および7倍の高調波が示されます。

機械を回転または往復運動させていると、多くの工学特性は速度に合わせて変化します。回転速度が臨界速度に近づいたときやその速度を超えるときに、共振などの工学的不良を観察できるのみです。そのため、機械のノイズや振動テストでは通常、ランナップテストやコーストダウンテストが必要です。ただし、回転速度が変化している場合、個々の高調波の周波数帯域は広くなります。個々の高調波の帯域幅それぞれが速度の変化に応じて広くなるため、一部の周波数成分がオーバーラップすることがあります。その結果、FFTのパワースペクトラムが不鮮明となり、特徴的な振動成分の特定には役立たなくなる可能性があります。次の図は、回転速度が1,000回転数(RPM)から4,000回転数(RPM)に変化したときの、PCのファンの不鮮明なFFTのパワースペクトラムを示しています。この図では、特定の工学部品に関連する明確なピークをまったく特定できません。

次数解析技術は、回転速度が時間とともに変化する場合に、ノイズおよび振動信号を解析するのに適しています。次数とは、回転速度の正規化のことです。1次は回転速度を、次数nは回転速度のn倍を表します。PCのファンのケースでは、シャフトの振動が1次振動です。コイルとブレードの振動は、それぞれ、4次および7次の振動です。

次数解析を用いれば、回転速度の変化によってFFTのパワースペクトラムに示された高調波についての情報を明確に表示させることができます。次の図に、前出の図に示したFFTのパワースペクトラムの演算に使用した信号と同じ信号の次数パワースペクトラムを示します。次数パワースペクトラムには、それぞれの工学部品に関連するピークがより明確に示されます。1次のピークはシャフトの振動に対応しています。4次のピークはコイルで生成される振動に対応しています。7次のピークはブレードで生成される振動に対応しています。

一般に、次数解析技術は、ノイズと振動信号を回転速度に関連付けます。また、次数解析技術は、こうした信号を特徴的な成分に落とし込み、それらの成分を工学部品に割り当てて、再現可能なノイズおよび振動測定値として表します。次数解析を用いれば、工学部品別の情報だけでなく機械全体の情報も得ることができます。

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